住宅ローン金利が上昇傾向と言われている昨今。今後も金利は上がり続ける可能性があり、住宅ローンの繰上返済を考えている方は少なくないのでしょうか。
さらに今は空前の投資ブーム。新NISAやiDeCo等、投資に対するハードルは下がってきているように思えます。もっと投資にお金を使いたい!と思っている人も多いと思います。
そこで悩ましい問題の一つが「繰上返済」と「投資」どちらを優先すべきか…
この記事では、この究極ともいえる選択に対して、私なりの考えをまとめました。
結論から言います。
👉 繰上返済と投資は、どちらが得かを競うものではありません。
👉 多くの人にとって正解は「投資だけ」「繰上返済だけ」ではなく、バランス型です。
それにもかかわらず、
- 「これから金利も上がるみたいだし、金利がもったいないから全部返すべき!」
- 「住宅ローンの金利以上の投資利回りを出す自信がある。だから返済は絶対不要!」
と、極端な意見に振り回されてしまう人が後を絶ちません。
私は銀行員時代、
「繰上返済をして後悔した人」
「投資を優先して詰んだ人」
両方を見てきました。
この記事では、
「繰上返済と投資の“本質的な違い”」と
どう考えれば後悔しないかを解説します。
■まず前提:繰上返済と投資は“性質がまったく違う”
この2つは、同じ「お金の使い道」でも性格が違います。
●繰上返済の本質
- 確実に利息が減る
- リスクゼロ
- リターンは金利分のみ
👉 守りの選択
●投資の本質
- 利回りは不確実
- 元本割れリスクあり
- 長期でリターンを狙う
👉 攻めの選択
つまり、
繰上返済=安全
投資=成長
この違いを理解せずに比較すると、必ず判断を誤ります。
■数字だけで見ると「投資の方が得」に見える理由
よくある比較がこれです。
- 住宅ローン金利:0.5%
- 投資利回り:年3〜5%
単純計算すると、
「投資した方が得じゃないか」
と思いますよね。
理論上は正しいです。
ただし、これは
“何も問題が起きなかった場合”の話です。
■銀行では必ず「最悪ケース」を考える
銀行が融資審査で見ているのは、
- 収入が減ったら?
- 病気になったら?
- 離職したら?
という最悪のシナリオです。
投資は、
- 相場が下がる
- 取り崩すタイミングが悪い
こうしたリスクを常に抱えています。
一方、繰上返済は
やった瞬間に効果が確定します。
■繰上返済を優先すべき人の特徴
次に当てはまる人は、
投資より繰上返済向きです。
- 投資の値動きに不安を感じる
- 家計にあまり余裕がない
- 「借金があること」自体がストレス
このタイプの人は、
投資で増えても心が休まりません。
精神的安定も立派なリターンです。
■投資を優先しても問題ない人の特徴
逆に、投資向きなのはこんな人。
- 生活費6〜12か月分の貯金がある
- 長期投資(15〜20年)が前提
- 相場の上下に一喜一憂しない
この条件が揃えば、
繰上返済を急がず、
余剰資金で投資
という戦略は、十分合理的です。
■一番多い失敗パターン
実はこれです。
投資も繰上返済も
どちらも中途半端
- 生活防衛資金がない
- 投資資金を住宅ローン返済に使う
- 相場が下がると不安で売却
これは、
守りも攻めも失敗するパターンです。
■元銀行マンの結論:おすすめは「役割分担」
私が一番おすすめする考え方はこれです。
●繰上返済の役割
- 将来の固定費を減らす
- 老後の安心材料
●投資の役割
- インフレ対策
- 資産の成長
つまり、
繰上返済=土台
投資=上積み
この関係を作ること。
■具体的なバランス例(現実的)
例えば、こんなイメージです。
- 余剰資金の
- 50%:投資
- 30%:繰上返済
- 20%:現金
この比率に「正解」はありませんが、
全部どちらかに振り切らないことが重要です。
■よくある質問:「どちらを先にやるべき?」
答えはシンプルです。
👉 生活防衛資金が先
👉 次に、投資 or 繰上返済
貯金がない状態で、
- 繰上返済
- 投資
どちらも危険です。
■まとめ|繰上返済 vs 投資で迷ったら
最後にもう一度、結論です。
- 繰上返済は「確実な安心」
- 投資は「不確実な成長」
- 正解は、あなたの性格と家計次第
住宅ローンは、
いかに早く返すかではなく、
いかに破綻せずに付き合うかが大切です。
数字だけでなく、
自分の気持ちも含めて判断する。
それが、後悔しないお金の使い方です。


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