住宅ローンはどうなる?今すぐ取るべき3つの行動を元銀行マンが解説
2025年11月20日、国内の長期金利(10年国債利回り)が1.800%となりました。
一時0%台が当たり前だった日本の金利が、ここまで上がってきたことは住宅ローン利用者にとって大きな転換点になります。
とくに、これから家づくり・土地探し・住宅ローン契約を控えている人にとっては、毎月の返済額が将来大きく変わる可能性があるため、絶対に見逃せないニュースです。
この記事では、
- なぜ金利が上がったのか
- 固定金利と変動金利にどんな影響が出るのか
- 今から住宅を検討する人はどう動くべきなのか
を元銀行マンの視点で、わかりやすく解説します。
1|なぜ長期金利が1.800%まで上がっているのか?
「長期金利=10年国債利回り」は、住宅ローンの固定金利型と強く連動します。
では、なぜ今こんなに上昇しているのでしょうか。
●理由1:物価上昇(インフレ)が続いている
値上げラッシュは続いており、住宅建材や人件費も高止まりしています。
インフレが長期化すると、国債の利回り(=金利)も上がりやすくなります。
●理由2:日銀の政策が“正常化モード”へ
2024年以降、日銀は長く続いたゼロ金利政策を徐々に解除し、国債の買い支えも弱まりました。
すると、自然と市場金利(長期金利)は上がっていきます。
●理由3:海外金利の上昇
アメリカや欧州の金利が高いまま推移している影響で、日本だけ低金利を続けるのが難しくなっています。
2|住宅ローンへの影響
長期金利の上昇は、住宅ローンの種類によって影響が異なります。
■(1)固定金利型(フラット35・銀行の固定金利)は“ほぼ直撃”
固定金利型は長期金利と連動するため、
今回の長期金利1.800% → 固定金利は確実に上がる方向
と考えるべきです。
たとえば、以下は借入3,000万円・35年ローンの場合の比較です。
| 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 1.2%(以前の平均) | 約92,000円 | 約3,860万円 |
| 1.8%(今後あり得る水準) | 約101,000円 | 約4,240万円 |
毎月9,000円前後アップ。総返済額は約400万円も増えます。
固定金利の上昇は、家計へのインパクトが大きいことが分かります。
■(2)変動金利型は「すぐには上がらないが、将来リスクは増大」
変動金利は短期金利(政策金利)に連動します。
今回の長期金利上昇で、即座に変動金利が上がるわけではありません。
しかし注意すべき点があります。
- 長期金利が上がる → 金融機関の調達コストが増す
- → 変動金利の“店頭金利”が上がる可能性
- → 数年内に政策金利引き上げが起きれば、一気に返済額が増加
つまり、
「変動金利は安いけど、将来上がるリスクは確実に高まっている」
という状況です。
■(3)土地価格や建築費への波及も確実
金利上昇は住宅ローンだけの話ではありません。
- 土地価格
- 建築会社の資金調達
- 住宅メーカーの投資計画
などにも影響するため、
住宅総額が上がる方向に働きやすい
という点も無視できません。
3|家づくり検討者が「今すぐ」やるべき3つの行動
長期金利が1.800%に到達した今、家づくりを検討している人が取るべき具体的な行動を3つに絞って解説します。
① 固定金利で借りる予定なら“早めの契約”が有利
固定金利は、
申込時ではなく「金銭消費貸借契約(契約本締結)」時点の金利が適用
されます。
そのため、
- これから土地を買う
- 建築請負契約を結ぶ
- 住宅ローン事前審査を始める
という場合、
動けば動くほど金利上昇の影響を受けません。
「金利上がりそうだから数ヶ月様子見しよう」は危険です。
上がるトレンドのときは待てば待つほど不利になります。
② 返済計画を“金利1%上昇”で試算し直す
今後さらに金利が上がる可能性を踏まえて、
いまの返済計画を金利1%上昇シミュレーションで再確認してみてください。
例:変動金利0.6% → 将来1.6%になった場合
- 月々返済の増加
- ボーナス返済の影響
- 家計の赤字化ライン
が明確になります。
住宅ローンで破綻する人は、
“将来の金利上昇”を想定していない人
です。
返済比率(年収に対する返済割合)を25%以内に抑えると、リスクを減らせます。
③ 変動金利・ミックス型を選ぶなら“金利上昇対策”をセットに
変動金利は低金利メリットがありますが、これからの時代は“リスク管理”が必須です。
推奨する対策
- 毎月1〜2万円の積立(将来の繰上返済用)
- 5年後・10年後の金利レビューを家計管理に組み込む
- 返済期間を短めに設定(35年→30年など)
- ミックスローンで固定金利を一定割合入れる
「金利に備える仕組み」を作っておくだけで、変動金利のデメリットは大幅に軽減できます。
4|まとめ:金利上昇は“焦るポイント”ではなく“動くべきサイン”
長期金利が1.800%という水準に達した2025年11月は、
住宅ローンにとって明らかに転換点です。
- 固定金利は確実に上昇方向
- 変動金利も将来リスクは拡大
- 住宅総額が上がりやすい時期に突入
という現実を踏まえると、
家づくり検討者は「慎重に」よりも「迅速に動く」ことが有利になります。
特に、
借りられる金額ではなく“返せる金額”で計画を立てる
ことが、これからの時代、今まで以上に重要になります。


コメント