住宅ローンを組んでいる方の中には
「住宅ローンって繰上返済したほうがいいんだろうか?」
と悩んでいる方も多いと思います。 この記事では、 今組んでいる住宅ローンを繰上げ返済したほうがいいのかを元銀行員の目線からホンネで解説していきます。
結論から言います。
住宅ローンの繰上返済は、
👉 多くの人にとって「やれば得」ですが、「急いでやる必要はありません」。
むしろ、
- 手元資金が減る
- 教育費・老後資金を圧迫する
- いざという時にお金が動かせない
こうした理由で、
繰上返済をしたことで後悔する人も少なくありません。
私は元銀行員として、
「繰上返済してよかった人」と
「やらなければよかった人」
両方を見てきました。
繰上返済についてどのように考えればいいか一緒に考えましょう。
■そもそも繰上返済とは?
住宅ローンの繰上返済には、2種類あります。
●期間短縮型
- 毎月返済額は変わらない
- 返済期間が短くなる
- 利息軽減効果が大きい
●返済額軽減型
- 返済期間はそのまま
- 毎月の返済が楽になる
- 家計安定向き
「どちらが得か?」と聞かれれば、
数字上は期間短縮型です。
ただし、
それが生活に合うかは別問題です。
■繰上返済が「得だ」と言われる理由
繰上返済が支持される理由はシンプルです。
① 支払利息が確実に減る
元本が減るため、利息も減ります。
② 借金が減る安心感
精神的なストレスが軽くなる。
③ 定年までの完済が見える
老後不安の軽減につながる。
ここまでは、事実です。
■それでも「急がなくていい」理由
ここからが、あまり語られない部分です。
■① 手元資金が減るリスクが大きい
繰上返済で使ったお金は、
二度と簡単に戻せません。
- 病気
- 失業
- 家の修繕
- 車の買い替え
こうした支出は、
「想定外」でやってきます。
住宅ローンは、
返済額よりも“資金余力”が大切です。
■② 住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除(最大13年)は、
- 年末残高 × 0.7%(組んだ時期によっては1.0%)
低金利で借りている場合、
繰上返済をするより
控除を受け続けた方が有利
というケースも珍しくありません。
■③ 変動金利なら「備え」が優先
変動金利を選んでいる場合、
- 金利上昇
- 収入変動
これらへの耐性が重要です。
資金を全て返済に回すと、
守りが弱くなります。
■繰上返済で後悔しやすい人の特徴
実際に多いのは、次のタイプです。
- 貯金の大半を使ってしまう
- 教育費を後回しにしている
- 金利上昇が怖くて感情的に返す
繰上返済は
安心を買う行為ですが、
不安からの判断は失敗しやすいです。
■逆に、繰上返済が向いている人
一方で、
「やってよかった」と感じる人もいます。
- 生活費6〜12か月分の貯金がある
- 教育費・老後資金の見通しが立っている
- 余剰資金が明確にある
この条件が揃えば、
繰上返済は非常に堅実な選択です。
■元銀行マン的おすすめスタンス
私がよく伝えるのは、これです。
繰上返済は「投資」ではなく「保険」
- 利回りは低い
- でも確実
- ノーリスク
だからこそ、
無理してやらない
これが正解です。
■まとめ|繰上返済は「人生設計」で決める
繰上返済に、
万人向けの正解はありません。
大切なのは、
- 今だけで判断しない
- お金の流動性を残す
- 不安で動かない
住宅ローンは、
早く終わらせる競争ではなく、
無理なく完走する長距離走です。
焦らず、
あなたのペースで判断してください。

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