マイホームを購入する際、必ず悩むのが「住宅ローンの金利タイプをどうするか?」という問題です。
【結論】
「どちらが得か」は未来の金利動向と自分の家計状況によって変わるため、一概にどちらが絶対お得とは言えません。
しかし、住宅ローンを組む以上避けては通れないのが、金利種類の選択。
「変動金利にした方がトクなの?」
「固定金利にすれば安心だけど、損しない?」
この疑問はほとんどの方が抱えます。今回は、元銀行員で宅建士の筆者が、住宅ローンの変動金利と固定金利のメリット・デメリット をわかりやすく解説します。
1. 変動金利とは?
変動金利は、半年ごとに金利が見直されるタイプ。金利水準が低く、現在の日本では多くの人が選んでいます。
【図表1】変動金利の特徴
| メリット | デメリット | 
|---|---|
| 初期金利が低く、返済額を抑えられる | 将来、金利が上昇するリスクがある | 
| 繰上返済をする場合に有利 | 返済額の見直しは5年ごとで、急に大幅増加する可能性 | 
| 当面の生活費に余裕を作りやすい | 金利上昇で「未払利息」が発生する恐れ | 
2. 固定金利とは?
固定金利は、契約時に決めた金利が一定期間(全期間や10年固定など)変わらないタイプです。
【図表2】固定金利の特徴
| メリット | デメリット | 
|---|---|
| 返済額がずっと変わらず安心 | 初期金利は変動より高い | 
| 金利上昇の影響を受けない | 借換えや繰上返済で見直さない限り割高になる可能性 | 
| 家計の計画を立てやすい | 将来、低金利が続いた場合は損した気持ちになりやすい | 
3. シミュレーションで比較!
では実際に数字で比較してみましょう。
「3,000万円を35年返済」で借りる場合の試算です。
【図表3】変動金利と固定金利の比較(2025年現在想定)
| 金利タイプ | 金利 | 毎月返済額 | 総返済額(35年) | 
|---|---|---|---|
| 変動金利 | 0.4% | 約77,000円 | 約3,250万円 | 
| 固定金利 | 1.8% | 約95,000円 | 約3,990万円 | 
👉 差額は 毎月18,000円、35年で約740万円。
ただしこれは「金利が変わらない場合」のシミュレーション。実際には変動金利は将来上がる可能性があるため、常にこの差が続くとは限りません。
4. 向いている人は?
【図表4】どちらを選ぶべき?
| タイプ | 向いている人 | 
|---|---|
| 変動金利 | 収入に余裕があり、多少の返済額増にも対応できる人。10〜15年以内に繰上返済や売却予定がある人。 | 
| 固定金利 | 長期的に安定した返済をしたい人。教育費や生活費で家計がタイトになりやすい人。金利上昇リスクを避けたい人。 | 
5. ミックス型もあり!
最近は「ローンを分割して、半分は変動・半分は固定」というミックス型を選ぶ方もいます。
- 変動の低金利を取り入れつつ、
 - 固定でリスクを分散
 
まさに「いいとこ取り」の考え方ですね。
6. まとめ
金利種類の選択は、家計の安定性や人生計画に合わせて選ぶべきです。
- 「多少のリスクを取っても返済総額を安くしたい」なら → 変動金利
 - 「リスクを避けて安心を優先したい」なら → 固定金利
 
を目安に検討してみてください。
👉 次回予告:「住宅ローンの返済額を減らす『繰上返済』のコツ」
  
  
  
  

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